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domoto63

「近藤さん。俺だ」

「近藤さん。俺だ」

 

 

「あぁ。歳かぁ!入っていいぞ!」

 

ガラッ

 

 

 

「書類は目を通した。後は印を押してくれ」

 

土方は近藤の目の前に書類を置く。

かなりの量だ。ほこりが舞った。

 

 

「わかった。相変わらず歳は仕事が早いなぁ!」

 

近藤はニカッと笑う。

 

 

「しかし。伊東先生が来てから皆も学問に励むようになったし!良かったな!」

 

近藤は伊東のことを先生と呼ぶ。なんでも自分より上の物を持つ者には『先生』をつけるらしい。

 

 

近藤は新撰組にはない『学問』が好きなのだろう。

 

 

「近藤さん。そのことなんだが」

 

「なんだ歳?」

 

近藤はニコニコと笑ったまま聞き返す。

 

 

 

「一応伊東先生には気をつけてくれ【生髮】維新烏絲素有無效?成分、副作用一覽!

 

 

 

「なんでだ?」

 

「なんでって

 

なんでだろう勘?

 

 

「歳。確かに伊東先生はまだ来てから一週間しか経ってないがな。仲間を疑うのは良くねぇよ」

 

 

「でも……!」

 

 

「歳、大丈夫だ。伊東先生は一緒に新撰組を助けてくれる」

 

近藤は土方を諭すように微笑む。

 

土方は小さく舌打ちした。

 

……何か合ったら言ってくれ」

 

「あぁ。ありがとう」

 

近藤は一度仲間と信じた相手は疑わない。その純粋さで時々火傷を負う。

 

 

土方は黙って部屋を出た。

 

駄目だ。近藤さんは疑う事を知らねぇ。

まぁそんな近藤さんが好きな訳だが。

 

 

ズカズカと廊下を歩く。

 

 

伊東の部屋の前をスッと通ると土方は目を見開いた。

 

 

 

 

 

 

山南さん

 

 

 

 

 

山南が伊東と部屋で語り合っている。

聞こえる単語からすると尊皇攘夷についてだろう。

 

新撰組は一応、尊皇攘夷派だ。伊東と山南は攘夷意思が強いため意気が合うのだろう。

「チッ……!」

 

駄目だ。山南さんが伊東と喋ってるだけで苛つく。

嫌なもん見たぜ。

 

 

土方は眉間に皺を寄せながら更にズカズカと廊下を行く。

 

 

 

 

「ぅわぁ!鬼!みたいな土方さん!?」

 

 

前から来た藤堂、原田、永倉が驚いている。

稽古帰りだろうか。

 

先ほどの失礼な発言をしたのは藤堂だ。

 

 

「あ゛!?誰が鬼だ!」

 

「土方さん!平助は鬼、みたいなって言ったぜ!」

 

 

「左ノ!別にあんま変わんねぇよ!それよりあんま巡回中に物破壊すんじゃねぇ」

 

 

「すいませーん!でも俺らのモットーは破壊!暴走!破壊!」

 

 

「いらねぇよそんなモットー!」

 

 

 

「まぁまぁ土方さん。破壊と創造は表裏一体って言うしな」

永倉がなんとか土方を落ち着かせようとする。

 

 

「その創造でこっちは大出費だバー――カ!」

 

土方は青筋を浮かべながら怒鳴った。

 

 

「ははっ!それでこそ土方さん!何を心配してんのか知らないケドさ。俺らがいるから大丈夫!あんま一人で抱え込まないでくれ」

 

土方は目を見開くと永倉、原田、藤堂を順番に見る。

 

三人とも微笑んでいた。

 

 

「お前ら……

 

 

こいつらがいるじゃねぇか。何をせかせか悩んでんだ。

 

 

「ま!まぁ!唯でさえ怖い鬼の副長がこれ以上進化してガチの鬼になったら困るしな!」

 

 

「あはは!左ノ!言えてる!」

 

「あはははは!土方さんがこれ以上鬼とか!」

 

 

「「「あはははは!!」」」

 

 

………

 

 

「実は前々から土方さんって鬼に似てるなぁって書いた絵があるんだよねー

藤堂がガサガサと胸元を探る。

 

 

「あ!あった!」

 

その声で土方と永倉と原田は覗き込んだ。

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