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domoto63

「悔しかったら本気で取り返しに来いや

「悔しかったら本気で取り返しに来いや。やないと返さんけぇ。覚悟しちょきや。木戸さん。」

 

 

入江は棘のある言葉を投げつけて桂に背を向けた。

 

 

『まぁ広間で寝るのは文ちゃん達がおる間だけやけどな。』

 

 

三津が嫌な思いをした分こっちが仕返ししてやるとあくどい笑みを浮かべた。

 

 

それに触発された桂は半ばヤケになって職務を終わらせて夕刻にはまた三津に会いに戻って来た。

 

 

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三津はフサと共に広間に膳を並べながら桂の相手をした。この時間が最も忙しいのだ。

 

 

「昼間来た時は三津がいなかったから会いたくて早く終わらせた。」

 

 

だが早く終わらせたのに間が悪かった。つくづく駄目な男だなと自分で自分が嫌になった。

 

 

『三津の都合も考えないと自分ばかりで駄目な奴だ。』

 

 

桂は邪魔しないように外にいると言い残して広間から出た。

 

 

『何もしなくても普段通りでいいと言ってもらったのに心の距離は離れたまんまで埋まらない……。』

 

 

桂は賑やかな広間の音を聞きながら縁側でしょんぼり肩を落とした。しばらく一人でいじけていると近付いてくる足音がした。

 

 

「ここに居たんですね。すみませんお待たせして。」

 

 

「こんなの待ったうちに入らない。忙しい時に来てすまないね。」

 

 

待ち望んだ三津の姿に自然と表情は解れるが,今日こそは余計な事を言わない,三津を悲しませないぞと意識すれば表情は強ばり言葉が出なくなる。

三津は桂の横に腰を下ろして黙ってしまった桂を不思議そうに眺めた。

 

 

「お疲れですよね。どうぞ。」

 

 

三津がぽんぽんと自分の膝を叩いた。桂はいいの?と何度も確認しながら遠慮がちに膝枕をしてもらった。

 

 

「私ばかりがすまない……。」

 

 

「いいえ。私は果たすべき役目を何一つ果たせてませんからね。この背中に背負ってるものがどれほどの重圧かまだ理解出来てない証拠ですね……ごめんなさい。」

 

 

三津は桂の背中に手を当てて優しく擦った。

 

 

『優しくて温かい。心地良い……。』

 

 

三津から与えられる手の感触にほっとしたら勝手に瞼が下りてくる。桂は一瞬で眠りに落ちた。

 

 

「今日もお疲れ様でした。」

 

 

耳元で囁いて規則正しい寝息に微笑んだ。こんな穏やかな時間をもつのはいつぶりだろうか。ついこの間までこんな時を過ごしていたのにそれも随分昔のように思えた。

 

 

『綺麗な寝顔。』

 

 

女から見ても腹立つぐらい綺麗だなとその頬を撫でた。

 

 

『起きひん。』

 

 

前に寝顔に触れた時には瞬時に鋭い目が開いたのに今日は身動ぎ一つしない。

それだけ疲れてるのと自分には安心してくれてるのだなと思って愛おしい寝顔を見つめた。

 

 

遠くに広間の賑やかな声を聞いていたらその賑やかさが徐々に近付いてきた。

 

 

「あっここにおったん?桂様寝ちょるん?」

 

 

文達が三津も夕餉をと呼びに来たのだが三津の膝枕で熟睡する桂に目を丸くした。

こんな縁側でここまで警戒心なく寝ているのに驚いた。

 

 

「えっ起きんそ?」

 

 

赤禰が流石にこの大男は寝床には運べんぞと顎を擦った。

 

 

「そのうち起きますからそれまで待ってます。起こすのも悪いんで。」

 

 

「そしたら三津さんにおにぎり作って来るわ。」

 

 

「俺酒持って来るわ。」

 

 

「疲れて寝ちょる人の側で宴会する気か。」

 

 

文が三津に軽食を用意するのは分かるがお前は止せと赤禰が高杉の頭を小突いた。

 

 

「いや,ちょっとは騒がしくせんとこの人起きんかもしれんわ。起こさんと三津も足が辛いやろ。」

 

 

入江は高杉の案に乗った。三津にずっと正座させとくのも酷だ。それに膝枕が羨ましくて腹立たしい。

出来るだけ騒いで最悪の目覚めを提供したいと密かに思う。

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