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domoto63

敢えて厳しい表現をすると

 敢えて厳しい表現をすると、表情を引き締めて姿勢を正した。

 

「そのような重任をお任せいただき、文仲業は誇らしく思います」

 

「よし、応佐司馬に相談しながらでいいから基礎を作るんだ。より良いと思える形が見つかれば九割九分出来上がっていても一から練り直せ。防衛任務からは外れても構わん、必要になれば声をかける」

 

「畏まりました!」

 

 二人の背を見送る、Setup Offshore Company 何故かな俺が嬉しく感じたのは。黄巾賊が押し寄せてきても城に籠もっていれば抜かれない、すり抜けたとしてもこちらの包囲下でどうとでも出来るぞ。しかしこんな他人任せの戦況維持でいいものかね、俺は俺でちょっと考えて動く必要があるな。

 

 荊州兵も今や増えて二万に迫る勢いだ、勝てば数が増えるのはいつもの事だが、一カ所に留めおくのはいただけない。それはそれとして訓練はまとまっていた方が良いという矛盾か。その後の配備先でも検討するのが妥当だな、荊州の内情が全く解ってないのが困る。 適性があるようならば兵を密偵としてあちこちに派遣する、そいつでいくとするか。戦うだけでは本当に手詰まりになる、諜報部を拡大だよ。やっぱり呂軍師のような奴が欲しい、うーむ。

 

 

 維持訓練を行い一か月ほど、ここで大きな変化が現れた。黄巾賊にではなくこちらにとってのことだ。新野に徐刺史が移動してきて、南陽戦線の総指揮を執るというのだ。こいつは良手だ、これならば泰太守との連合も指揮権一本で行えるぞ!

 

 府は別駕に任せてきて、新野にあるのは荊州軍本営という形だ。とはいえ刺史がいる以上は太守だろうが、荊州軍だろうが軋轢も無い。三人を引き連れて俺も新野の城主の間に顔を出したら、泰太守が反対サイドに立っている、気にしないよ。

 

「島別部司馬、参上しました」

 

「おお、待っておったぞ。よくぞ南陽黄巾党の首領を倒してくれた、礼を言わせて貰う」

 

「若い者らの尽力と、兵らの奮戦によるものです。その言葉は是非そいつらへ」

 

 目を細めて笑うと徐刺史は「相変わらずよの。遅れはしたが私も荊州の平定をせんがために南陽へとやって来た。泰太守よ」視線を向うの先頭に立っている対太守へと向ける。見たことがない軍人も居るな、印綬は黒か、荊州司馬か南陽司馬あたりか?

 

「徐刺史の来訪により軍民共に意気が上がっております。潁川、冀州の黄巾賊は勢いを増しておりますが、南陽のそれは消沈しております。今こそ決戦のときかと」

 

 やっぱりあちらの官軍は芳しくないんだな、何せ朱儁だとか皇甫嵩、盧植ってのは序盤のやられ役的な描かれ方だったような? 生憎詳しい知識はない。「黄巾党の数は膨れ上がり、今や百万を超えたと言われている。ひるがえって荊州ではそこまでではない。これもひとえに泰太守と島別部司馬の働きの結果」

 

 ちらりとこちらにも視線を送って来る、同時に敵意がこもった雰囲気を出している幕僚もいるんだよ。皆が仲良しの方がおかしいのは理解しているさ。

 

「して島別部司馬はどう見ておるかね」

 

 俺個人の意見としては攻め滅ぼすべきだが、司令官は選択肢を提示しろと言っている可能性があるからな。ならば太守とは反対、攻めないのも出してやらんと困るだろう。様子見になっても、攻めることになっても俺は構わんぞ。

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